後発酵茶とは
「後発酵茶」に関しては、一番馴染みが薄いお茶ではないでしょうか。
以前、【お茶の種類と作り方の違いをご紹介します。】の記事でも簡単にご説明した通り、「後発酵茶」とは「お漬物」のようなお茶です。
種類は異なりますが、日本を始め、中国や東南アジアでも見られるお茶文化です。
日本国内の「後発酵茶」から詳しく見ていきましょう。
碁石茶
「碁石茶」とは、高知県大豊町で作られている「後発酵茶」です。
夏場に摘採した葉を蒸した(発酵を止める)後、”むしろ”にかけてカビをつけることで一次発酵させます。
その後、桶に詰めて”乳酸菌”で二次発酵させた後に、3cm角程度に切り、天日干しにして完成します。
カテキンはもちろん、二次発酵時の乳酸菌も多く含まれ、便秘改善、コレステロール値の低下などの効果があり、近年注目されています。
一次発酵した後の茶葉が黒く、碁石に似ている為、「碁石茶」と呼ばれています。
阿波茶
「阿波茶」は、徳島県相生町などで作られている「後発酵茶」です。
夏場に茶葉を摘採し、茹でて発酵を止めた後によく揉みます。
その後、桶に詰めて乳酸菌などの微生物によって発酵させ、天日干しすることで出来上がります。
「阿波番茶」「相生番茶」などと呼ばれることもあります。
黒茶(ヘイチャ)
「黒茶」とは、中国茶の中でも麹菌によって数ヶ月以上発酵させて作ったお茶です。
代表的なものに「プーアル茶」があります。
まず、摘採した茶葉を加熱して発酵を止め(殺青)、淹れたときにお茶の成分の抽出をよくするために一度揉みます(初揉)。
その後茶葉を積み重ね、微生物によって発酵させた(堆積)後に、もう一度揉み(復揉)、乾燥させたら完成です。
また、「黒茶」も形状によって、茶葉そのままの形状のものを「散茶」、発酵前に押し固めて成形したものを「緊圧茶(キンアツチャ)」と呼びます。
「緊圧茶」もその形状によって、「餅茶(ビンチャ)」「沱茶(トウチャ)」「磚茶(ジュアンチャ)」などと呼び方が違います。
最後に
いかがでしたでしょうか。
あまり馴染みのない「後発酵茶」ですが、昔から利用されていたものなのです。
発酵に使われる微生物も、乳酸菌や麹菌など地域で違います。
興味を持たれた方は一度調べてみると面白いかもしれません。